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えいちゃーろぐ!

不定期で更新していきます

校庭の片隅で野菜を育てていた頃の話 後編

前回の続きです。

 

 

突然ですが、夏休み、家庭菜園同好会は最大の危機を迎えました。

 

私たちの高校は、体育館の改修に伴う大規模工事を行っていたのです。

校庭もまた、工事区画の一部だったため、菜園を崩さなければなりません。

 

我々のバックについてる、例の工芸教員H氏に無理を言って、なんとかならないか?

いやいや、こればかりは、いくら理事でも解決できないでしょう。工事を請け負っている企業との兼ね合いもあるのですから。無謀ってもんです。

楽しかった耕作ライフが、走馬灯のように頭の中を駆け抜けていきます。ああ、これがエンディングか。なんて儚いんだ。ありがとう、カボチャ。ありがとう、大根。

 

 

「工期、遅らせてくれるってよ」

「!?」

「請け負ってる企業の担当者が、うちの高校出身らしいから」

 

理由になってない。なんなんだよそれは。

 

大人の世界っていうのは、意外にもノリとテンションで動いているんだなあ。純朴な高校生だった私は、そんな教訓を得たのでした……。

 

 

 

さてさて、T校長と工芸教員Hの強力なバックアップのもと、夏休みも栽培に勤しんでいきます。

校長のプランターに勝手にカボチャを植えた例の彼が、この長い休暇の間、Twitterを利用して活動を記録していました。

作物たちに名前をつけて、その様子を報告するわけです。「本日のイヴ」とか、「本日のスパゲッティーニ太郎」とか、「本日のグラマラス杉山」とか。ネーミングセンスが世紀末ですね。

それどころか、T校長を始めとした、高校の教員陣の名前も、植物の名前として勝手に転用されていきました。なんてことだ。恩を仇で返しやがった。

 

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これがT校長らしい。校長のつぼみってなんか隠語っぽさがあるぞ。

 

 

 

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あっ、数学科教員が枯れてる。

 

 

※なお、これらのTwitter活動はすべて校長に見られていたそうで、のちに卒業を祝う会にて校長のスピーチのネタにされたのでした……。

 

 

 

 

 

カボチャを実らせるには、夏の間に受粉をさせる必要があります。結論から言いましょう。これに失敗しました。

 

そもそも2015年の夏は日照時間が不足していて、雌花が1つしか開花しなかったのです。さながらカボチャサークルの姫。

しかもこれに人工授粉させようにも、最初から周囲の雄花など、姫にとっては恋愛対象じゃなかったわけです。世界の縮図かよ。

 

こうして恋を実らせることも叶わず、姫に搾り取られただけ搾り取られた雄花たちは、2学期が始まる頃にはみな精魂尽き果てて枯れていき、同様に姫自身も"取り巻き"を失って萎んでいってしまったのです。

 

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              写真がないのでイメージでお楽しみください。

 

 

こうして、幾多の困難を乗り越え、教員たちのバックアップも受け、必死に頑張ってきた家庭菜園同好会は、日照時間という名のサークルクラッシャーの手で、ボコボコにされたのでした……。

やっぱり初年度から成功させるのは難しいのですね。高3の生徒5人だけで運営していたので、後を託す後輩もいませんし。

この記事を見た後輩がリベンジしてくれることを祈るのみですね。

 

 

 

 

……いや、これではいけません。

このままでは工芸が100点ではなk応援してくれた皆さんに顔向けができません!

我々をなんだと思っている! 理事を味方につけ、校長をねじ伏せた、天下の家庭菜園同好会ぞ? ただでは終わらせぬぞ?

 

 

「どうしようか? 卒業アルバムの団体写真コーナーにも『家庭菜園同好会』で申し込んじゃったよ?」

「今更『栽培できませんでした』なんて言えない……工芸の単位が落ちる……」

「とりあえずさ、学校の近くにスーパーあるじゃん」

「ありますね」

「カボチャとかキュウリとか売ってるよね」

「ちょっと待て」

 

 

 

 

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こうして卒業アルバムに刻まれた「家庭菜園同好会」の写真は、一見「作物を育て上げた男たちの一枚」のようで、実際は「スーパー帰りに買ってきたものを広げてる男たちの一枚」という、最高に最低な詐欺写真となったのでした。

もちろん工芸のH氏には「これ全部獲れました! 大豊作です!」と通告。笑顔で褒め称えるH氏。良心の呵責に苦しむ同好会。

もはや一周まわって諦めてバナナとか持ってる人もいますね。育てられるもんなら東京でバナナ育ててみろよ。

 

 

 

 

 

 

ところで皆さん、この写真……

 

 

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おわかりいただけただろうか……

 

 

 

 

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う"わ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"

 

 

 

 

写真を撮る日の朝、メンバーの1人が「地面から生えたい」などという妄言を始めたため、私たちは仕方なしに3限と4限の授業をブッチして校庭に穴を掘り、そこに彼を埋めたのでした。

それはもう、虚しくて、悲しくて、つらい作業でした。

彼の洋服が汚れないようにブルーシートに包んで埋めたわけですが、端から見たら完全に死体遺棄現場。

 

 

……と、こんな感じで、最初から最後まで意味のわからない同好会でした。

あまりイベントに恵まれない高3で、なかなか貴重な体験ができたように思えます(最後だけそれっぽくまとめていくぞ)。

 

 

家庭菜園そのものの話はこれで終わりです。次回は収穫祭(収穫したとは言ってない)の様子を書こうかと思います。では!